■国保税、府内市町村で2番目の高さ

 精華町議選が5月9日告示、同14日投票で行われます。同町では、府内で2番目に高い国保税(2015年度、1人当たりの保険料調定額〈介護分調定額除く〉で比較・グラフ参照)の負担について、町民が生活不安を訴えています。日本共産党精華町議団は大型開発優先ではなく、高すぎる国保税を引き下げるよう求めています。

 精華町の国保税は、2016年度の税率で計算すると、所得200万円の4人家族(40代夫妻と子ども2人)をモデルとした場合、年間36万5650円と所得の2割近い負担となります。

 「スーパーでは割引のものを買い、外食はなし。ぜいたくはできない」と話す女性(69)は、夫と年金暮らしです。年金は年間240万円。国保税は年間10万9300円を支払っています。「固定資産税や住民税も払うと、年金だけでは到底まかなえない。毎月2~3万円ほど貯金をくずして生活しています」と肩を落とします。

 同党が1月に行った町民アンケートでは、「国保税などは生活が苦しくなっている大きな要因。何とかもっと下げてほしい」(70代女性)、「国保、介護保険は他市町村と比べても高い」(70代男性)、「国保や介護保険等、年金の額と比べて高くあぜんとする」(60代女性)、「毎年のように年金額が減る一方で、国保や介護保険料が文句なしに引かれていく。今は何とかしてやりくりしているが5年後、10年後とどうなるのかという不安が大きい」(70代男性)など不安の声が寄せられました。

 共産党町議団は、町に対して、一般会計からの政策的繰り入れを行い、住民の国保税の負担軽減を行うよう一貫して求めてきました。

 また、国保税の値上げが行われた2013年には、同年6月定例会で国保税引き下げを求める条例改正案を提出しました。医療分の所得割を1%、均等割(当時2万5000円)や平等割(当時2万4000円)をそれぞれ1000円、介護分の均等割を2300円(当時7200円)引き上げた町に対し、以前の税率に戻すよう提案しました(賛成少数で否決)。

 木村要町長は、政策的繰り入れの要求に対し、「制度間の公平さを欠くこととなる」と実施を拒否しています。
 一方で町長は、総工費約2・1兆円、関係市町村1割負担と想定される北陸新幹線「延伸」計画については、ばく大な府民への負担が予想されるにもかかわらず、「北陸新幹線京都府南部ルート誘致促進同盟会」の会長として同計画の旗振り役を担っています。

 前出の69歳の女性は、「医療費や介護保険の負担もある。生活を圧迫する国保税を引き下げてほしい」と共産党に期待しています。

■中学校給食、4年前に「実施」決めたのに開始時期は未確定

 府南部の自治体が相次いで中学校給食の実施に向けて動き出すなか、精華町では、4年前に町として「実施」を決めたにもかかわらず、他の学校設備の整備を理由に、いつから給食を開始するのか具体的方針は未確定のままです。町議選を前に、子育て世代の保護者からは「早く実施を」との声が上がっています。日本共産党は、「住民の長年の要求を受け止め、1日も早い実施を」と訴えています。

 同町の中学校給食をめぐっては、町議会が2011年9月に「町立中学校完全給食実施を求める決議」を可決。これを受けて、町は「子どもの食のあり方懇談会」を立ち上げ(12年8月)て検討を進め、13年に中学校給食実施に関する基本的事項を定めました。しかし、町は小・中学校教室の空調設備の整備(18年度にかけて実施)を優先するとして、具体的な実施時期を明らかにしていません。

 「町の〝やる気〟を疑います」と話すのは、3人の子どもを持つ母親(53)。末っ子は今年、中学2年といい、「毎朝の弁当づくりは本当に大変です。3人目までに…と思っていましたが、無理そう。町の姿勢を見ていると、〝やるやる詐欺〟かと思ってしまう」と落胆を込めていいます。長男が小学4年という母親(37)は、「栄養バランスを考えれば給食が一番。お弁当では、夏場の衛生面も心配です。1日も早く給食を開始してほしい」と話します。

 日本共産党は、10年以上前から町議会で中学校給食の実施を求めて、論戦してきました。「愛情弁当論」に固執する町側に対して、成長期を支える栄養面の必要性や食育の観点から繰り返し追及。実施方針が決まってからも、「これ以上、言うことがあるのか」と傍観する与党議員と一線を画して、早期実施を求めてきました。

 中学校給食実施率が36・7%と、全国(同82・4%、2015年5月時点)と比べて大きく立ち遅れている京都では、この間、住民の粘り強い運動を背景に相次いで実施を決める自治体が生まれています。乙訓地域では、長岡京市が来年度1校で実施(残り3校は19~20年度にかけて)するほか、向日市(20年度までに実施)、大山崎町(最短で19年度、遅くとも21年度までの実施見込み)が方針を確定。八幡市は今年5月から開始し、昨年12月の市長選で争点となった宇治市では、今年1月に市教委が実施方針を決めています。

 中学校給食の実現を求める請願署名に取り組んできた大野公子さん(75)は、「実施方針を決めているにもかかわらず、他の課題を理由に後回しにしていることに憤りを感じます。当初から実現を訴え、いま早期実施を求めている共産党に期待したい」と話しています。

■共産党住民アンケート「中学給食」が最多要望、先送りに怒りの声も

 日本共産党精華町議団が行った住民アンケートでも、「中学校給食の実施」を求める声が多数寄せられています。
 
 子育て支援などの要望を問う項目の中で、250人の回答者(複数回答あり)の内、104人が「実施」を要望。小児・夜間救急の整備・充実(57人)、教室のエアコン設置(44人)などを大きく上回り、同町の切実な要求であることが改めて裏付けられました。

 自由記述欄では、「あまりにも時代錯誤。同規模の自治体でも普通にあり、早期実施を強く懇願する」(30代)、「早急にお願いしたい。(お弁当作りは)本当に毎朝大変」(50代・女性)、「他市町村では年々実施されているのに、精華町は一向に進んでいない」(30代)など早期実施を求める意見のほか、「2年前、中学校給食がほぼ実施されるような流れだったので、精華町に家を購入した」(30代・女性)という声も寄せられています。

(「週刊京都民報」4月23日付、5月7日付より)