20150829-03 

「丹後・宇川のみなさんと連帯したい」「危険な米軍基地はいらない」―核開発や米軍基地建設反対運動に取り組む世界各国代表が参加した「『宇宙と平和』国際セミナー@京都」(1日・立命館大学、同実行委員会主催)で、京丹後市や沖縄と同様に、米軍基地建設反対に取り組むグループから報告がありました。韓国、チェコ、イタリアの報告を紹介します。

20150829-09 米国の「ミサイル防衛」システムを担う軍事基地を中央ヨーロッパに設置する計画が06年に明らかになりました。市民による反対運動団体がチェコで結成され、3年にわたる運動で、オバマ大統領に計画を放棄させました。

 基地計画に対して、いくつかの団体で「No To Bases」運動を結成しました。多様なグループで組織されたもので、ウェブサイトを作成し、毎週のミーティングを実施。参加組織は1カ月で20にまで増え、最終的に70を超えました。

 首都プラハや全国各地で、何千人ものデモを行い、政府やアメリカ大使館にまで抗議行動を展開しました。基地予定地とされたブルディ(Brdy)地区でも、デモ行進や音楽祭などを開催しました。
 請願署名を10万人分以上集め、恐らくわが国で史上最大の請願となりました。国会議事堂周辺のアピール行動などでも、メディアの注目を引く「絵になる」イベントを準備しました。

 09年のオバマ大統領のプラハ訪問では、プラハ城前の橋に「YES WE CAN! 米軍基地にノーを!」と横断幕を掲げ、国内外のメディアが報道しました。世論調査で3分の2の国民が反対しているにも関わらず、米国との協定を押し通そうとしている政治家たちに圧力をかけ続けました。

 チェコの計画は中止させましたが、米国はミサイル防衛計画全体を中止したわけではありません。実際は、船上のレーダーを使うように計画を再構築しただけです。迎撃機については、ポーランドで基地設置を計画中で、ルーマニアで新たな受け入れ場所が選定されました(本年運用開始予定)。

 運動はまだ続いています。我々の先例を世界中で展開できることを示し、米国のミサイル防衛という狂気を永久に食い止めよう。
写真=〈上〉オバマ大統領がチェコを訪問した時に掲げた「Yes,We can」「米軍基地にノーを」の横断幕、〈下〉報告するジャン・タマーシュさん