農業振興こそ必要

与謝野町農業委員会会長 西原良一さん

し、交渉参加に反対を表明するとともに、重要品目が守られない場合は交渉から撤退することを政府と与党に対し要請しました。
 交渉参加に向けて行われた日米事前協議では自動車、保険の分野で米国に譲歩しており、重要品目を守れないのではないのかという懸念が大きくなっています。
 約1.7ヘクタールの農地で米作りをしています。機屋も営む兼業農家です。与謝野町では、山間部の傾斜地を利用した田畑が多く、耕地面積の拡大は難しいため、安い輸入品と競争はできません。また、安い農作物の流入で全体の価格が引き下げられると、利益が減り農家の経営は非常に苦しくなります。
 多くの農家が廃業に追い込まれます。高齢の農家が多く、転職することは難しいでしょう。TPP参加の先には、生活すらままならなくなる事態が予想されます。
 農業を守るためにTPP参加交渉からは撤退するべきです。後継者不足に悩む農業の振興に取り組み、食糧自給率の上昇を目指す、農業を守り育てる政治が求められています。(「週刊しんぶん京都民報」2013年7月14日付掲載)