「いじめ」問題シンポ 深刻化するいじめ問題を解決するために何が必要か―。日本共産党の「いじめ」問題提案(昨年11月発表)をもとに同党京都府委員会と京都府同党後援会は4月29日、シンポジウム「『いじめ』『体罰』のない学校と社会を」を京都市中京区の京都アスニーで開催しました。行政関係者や青年、保護者、教育関係者など約170人が参加し、「よくやってくれた」「確信になった」「勇気をもらえた」などの感想を寄せました。
 同党中央委員会文教委員会責任者の藤森毅さんが提案を解説。これを受けて、パネリストとして精神保健福祉士の木下秀美さん、女子高生の「9ぴっと」さんらが発言しました。
 藤森さんは、「いじめ」は「人権侵害で暴力」とのべ、相談があったときには子どもの命を守ることを最優先にする原則を明確にすべき、と強調しました。また、「いじめ」が過去と比べ深刻化しているのは、子どもたちが強いストレスの下におかれ、過剰ないら立ちを抱えているからだ、と指摘。子どもたちに過度のストレスを与えている教育と社会を変えなければならないと訴えました。
 木下さんは、中学生だった長男が学校の荒れが原因で不登校になり自殺(2000年)したことを受けて、学校側に事実の解明と再発防止のための検証と具体的な対応を求めてきたことなどを話しました。「9ぴっと」さんは、小学校時代にいじめられている生徒を助けられなかった自責の念から、仲間はずれにされ不登校がちになっていた生徒宅を勇気を出して訪問し、級友に生徒の思いを伝えることで、安心して登校できるようにした体験などを語りました。
 会場から18人がパネラーに文書で質問。7人が発言し、「体罰を受ければスポーツが強くなると信じていたが180度考えが変わった」(青年)、「みなさんの話を聞いて胸がいっぱいで涙が出そう」(母親)などと語りました。
 フロアー発言を受け「9ぴっと」さんは、「こんなに『いじめ』や『体罰』について考えてくれる大人や若い方がたくさんいることを心強く思った。これから友だちに本当は信頼できる大人がいっぱいいると話していきたい」と話し、拍手に包まれました。
 同党の衆院京都3区代表の石村かず子さんが司会をつとめ、同党京都市議団幹事長の倉林明子さん(参院京都選挙区候補)があいさつをしました。