府南部豪雨を考えるつどい 8月の府南部豪雨の被災経験を交流し、今後の防災を考える集会が27日、宇治市の市民会館で開かれ、被災地の住民など約100人が集まりました。宇治・久御山革新懇、防災を考える市民の会の主催。
 被災者として、宇治市内で被害の大きい志津川、炭山、五ヶ庄、莵道の各地域と久御山町の住民が発言。「死者1人、行方不明者1人だった。地区で自主的に防災地域を指定していたが、対策しきれなかった。行政がかつて計画した保安林、調節ダムなど実現していれば被害は小さかったはず」(志津川)「土砂崩れで集落が孤立した。放置された山林が原因だった。行政が放置山林を整備してほしい」(炭山)「天井川の弥陀次郎川が決壊した。老朽化していたと聞くので、行政の管理責任ではないかと思う」(五ヶ庄)「地域にある3カ所の橋に流木がつまり、水があふれた。隣接する山に伐採された木が放置されていた」(莵道)「雨水が排水されず、農作物が水浸しになり、腐ってしまった」(久御山)など、各地の被害状況を告発しました。
 専門家として国土問題研究会の中川学事務局長が発言。府が土木事務所を統廃合したため、宇治市内の土木事務所がなくなり、被災地への到着が遅れたと指摘。「要員も10人から7人に減らされ、マンパワーが不足していた。府が被害を拡大させたと言える」と述べました。