大阪市の橋下徹市長が結党し、国政進出を狙う「日本維新の会」。次の総選挙で重大争点となる4つの課題で、同会はどういう立場をとっているのか。国政政策と実態について、各界の人が疑問と不安、怒りの声をあげています。

 橋下氏は、沖縄県が島ぐるみで反対し、全国知事会も反対決議をあげているオスプレイ配備について、「お願いしなければいけない」(9月23日、日本維新の会公開討論会)と述べています。また、米海兵隊普天間基地の辺野古移設についても、「他の案はいま僕の頭にはない」などと述べています(同)

沖縄の怒りの声を無視

沖縄県知念村(現南城市)出身で三線奏者=伏見区= 大城敏信さん

 10万人が参加した県民大会(9月9日)の報道を見て、暴行事件や事故を繰り返す米兵への怒りが爆発した「コザ暴動」(1970年)を思い出しました。これほどの反対の声を無視して、オスプレイは普天間基地に飛来しました(1日)。住宅が密集する市街地のど真ん中にある「世界一」危険な基地に、墜落を繰り返している欠陥機を配備しようということに腹が立ちます。アメリカが考えているのは、日本の防衛などではなく自国の利益です。暴行事件を平然と繰り返す米軍が日本を守るはずがありません。
 橋下さんは以前、普天間基地の移設問題で、関西国際空港への受け入れに言及していたことがあります。しかし、結局、日米同盟が基軸と言って、オスプレイも普天間基地も沖縄に「お願いする」と言って押し付ける。自民党や民主党がやってきたことと同じです。
 口先ひとつで新聞やテレビに上手に取り上げられ、いつも上から目線の橋下さんには、本土復帰後も米軍基地があるゆえの騒音や事件・事故に苦しむ沖縄県民の姿が見えないのでしょう。大阪から国政へ向かおうとしている彼の本性を早く見抜いてほしいです。(「週刊しんぶん京都民報」2012年10月7日付掲載)