ハギ 22、23の両日は梨木神社の萩まつりで境内には早朝から沢山の訪問客があり、ハギを堪能していました。境内にはいろいろな品種の萩約500株が植生されています。日本の一般的なハギは秋の七草の一つと推察されるマメ科ハギ属のヤマハギ(和名=山萩:学名=Lespedeza bicolor var. japonica)です。
 ハギは古い株から芽を出すので「生え芽(ハエギ)」が転じた言葉といわれています。漢字は秋に草冠の「萩」ですがこれは国字で、草冠が附いて草のようですが木質で樹木の仲間に入れられています。万葉集に登場する樹木では梅や桜よりも沢山登場していると言われています。「秋風は涼しくなりぬ馬なめて いざ野にゆかなハギの花みに(よみ人しらず)」、「わが屋戸の萩の花咲けり見に来ませ 今二日ばかりあらば散りなむ(巫部麻蘇娘子)」
 今年の萩まつりは猛暑が続いたのか、萩の花はまだ控えめですが、奉納行事は上方舞、狂言、弓術や茶会など多様に催され十分楽しめます。参道や境内のハギの枝には俳句を認めた短冊が吊されています。その中から二つ選、「少年が未来を語る萩の風」、「現在地問えば「ふくしま」月澄むと」。また、同社と縁が深い上田秋成と湯川秀樹のりっぱな歌碑もあります。「千年の昔の園もかやあ里志 木の下かげに乱れさく萩(湯川秀樹)」
 早朝名古屋から訪れた夫婦は「萩まつりを知って朝早くから訪れました。ほんとに京都は静かですね、落ち着くというか、御所もこのお宮さんも。花を付けているのちょっと少ないようですが何となく雰囲気がいいです」と話します。また、地元の年輩の夫婦は「昔はこの参道いっぱいに萩が垂れ下がっていたんですよ。今は枝を短く刈って参道は綺麗になりましたが昔の風情がなくなってちょっと寂しいですけど、散歩には一番いいですね」と笑顔で話します。(仲野良典)