芦生小水力発電見学ツアー 北上革新懇と北上原発ゼロネットは29日、南丹市美山町にある芦生小水力発電を見学するツアーを実施しました。26人が参加し、日本共産党のくらた共子京都市議も同行しました。
 現地の「なくそう原発美山の会」事務局長・山崎さんの案内で、「芦生の森」の豊かな水を育む由良川源流域を訪ね、地球温暖化が生態系に及ぼす影響や鹿の異常繁殖による森林機能の低下の様子などを学びました。山崎さんは、「森を守ることは地球を守ることであり、原発をなくすことこそ環境を守る最大の課題」「お寺の住職や元教育長、染色工芸家など、ためらわずに声をかけ『会』代表世話人になってもらった。原発問題に保守、革新の違いはない」と大飯原発30キロ圏内にある地域の関心の高さを語りました。「会」は、9月までに有権者過半数を目標に原発即時廃止を求める署名運動に取り組んでいます。
 この後、一行は小水力発電機(出力1.3キロワット)が設置されている芦生山の家で地鶏や鹿肉バーベキューを賞味し、山の家館長の今井崇さんから美山町の歴史や小水力発電機設置のいきさつを学びました。今井さんは、「みなさんが飲まれたビールは小水力発電機で冷やしました」と切り出し、過疎化・高齢化する地域の振興を図る目的で「マイクロ水力発電によるむらづくりモデル事業」として設置されたこと、危険な原発に頼ることなく再生可能エネルギーで地域振興がはかれることを示したいと設置の思いを語りました。
 今井さんは、「美山町の山の暮らしはランプ生活を強いられるなど厳しく、どこの集落でも小水力発電を設置し自らの電気をまかなってきた歴史がある。やがて関電の送電とともに、独自の小水力発電は廃止され、その代わり危険な原発による電気を使ってきた。今回設置した小水力発電のための水路はかつて使っていた水路の再利用だ。昔からあったもので自らの電気を作っている」と話しました。
 往路のバスの中で、「原発なくしてどうするねん、とよく聞かれるので自分で説明できるよう参加した」「自ら電力を作り出すことはすばらしいこと。それを確かめるために参加した」「エネルギーも地産地消めざす思いで参加した」など参加の目的を語っていた参加者は、帰路のバスの中では、「こんな簡単に電気ができるのか。原発に頼らなくてもやる気があればいけると思った」「再生可能エネルギーがこんな簡単なものかと実感できたことが大切だ」「関電の電気を使わなくとも自分らの電気をつくることができることを実感した」「大企業に独占させず、地域循環型経済と表裏一体で再生可能エネルギーを考えることが大切だ」など感想を語り合い、原発ゼロに確信を深めていました。(厨子)