大飯原発の再稼働決定は非常に残念です。政府は、全原発が停止している今だからこそ、次のステップを踏み出し再稼働なしで夏を乗り越える決断をするべきでした。
 私の工務店では約10年前から、家作りの際に風通しのよい構造を取り入れたり、顧客に薪ストーブの設置を勧めるなど自然の恵みやエネルギーを活用した快適な住まいを提案しています。また、地域での循環型エネルギーの自給を掲げ、全国の経営者有志で結成された団体にも参加しています。今年3月に発足した同団体は、原発の代替エネルギーを提案しようと勉強会などを通じ再生可能エネルギー活用の模索を行っています。
 一部の経済団体が再稼働を要望していますが、決して経済団体に所属するすべての企業が再稼働を望んでいるわけではありません。私も再稼働を望んでいませんし、同様の考えを持つ他の企業経営者も少なくないと思います。企業は政府が再稼働しないと決断すれば、知恵を出して努力して対応できると思います。実際、大変だったでしょうが関東の企業の多くは昨年1年を乗り切りました。
 原発は何万年も管理が必要な核廃棄物を抱えています。私たちの世代で責任を持てないことはやめるべきです。再生可能エネルギーを活用し脱原発を目指そうというのが私の考えです。(「週刊しんぶん京都民報」2012年6月24日付掲載)