価格に転嫁できない

 亀岡のスーパー内で鮮魚店を営んで27年目になります。他スーパーや大型店との競争は激しく、お客さんの目も厳しいですから、10円でも高かったら買っていただけません。週末セールには力を入れていますが、購買力が落ちており、買い物の回数も単価も減ってきています。
 消費税は、仕入れ分については外税で納めています。しかし販売価格に転嫁できないのが実情で、身銭を切って納税しています。10%になれば、さらに身銭を切ることになります。
 消費税が97年に5%になった時、客足がパタッと途絶えました。当時、消費の低迷が言われましたが、今は当時以上のリストラや就職難などの状況があり、経営はこの先5年くらいさらに厳しいのではないかと思っています。
 国の借金返済のためにいずれ増税は必要だと考えています。でも今は時期が悪すぎます。消費税を8%から10%と増税の時期をずらしても一緒だと思います。政府はもっと消費者の懐を温める施策を打ち出し、購買力を高め、経済を循環させる政治を行ってほしい。(「週刊しんぶん京都民報」2012年5月20日付掲載)