非核の会25周年記念のつどい 非核の政府を求める京都の会は結成25周年を記念したつどいを21日、京都市左京区の教育文化センターで開き、会員ら100人が参加しました。
 日本原水協代表理事の沢田昭二名古屋大学名誉教授と高知県太平洋核実験被災支援センターの山下正寿事務局長が講演しました。
 沢田氏は、「核不拡散条約体制から核兵器禁止条約体制へ 広島・長崎と福島の被曝から考える」と題して、核兵器が作られた歴史的背景や核廃絶を求める世界の平和運動、放射線被爆の人体への影響などについて報告。広島・長崎に比べて福島原発事故では、放射線被爆の急性症状は見られないものの、ベータ線(遠距離内部被曝)の影響について科学的に実態をつかみ、対処していく必要性を強調しました。また、世界の平和運動が2009年のオバマ米大統領のプラハ演説、2010年のNPT再検討会議で軍縮へ向かう流れにあり、「核兵器の無い世界、原発の無い日本を作る歴史的チャンス。未来につけを残さないよう、現代に生きる者の責任で自然エネルギーを活用し、人類が健康で文化的な生活を送れる条件づくりを今の内に築こう」と呼びかけました。
山下氏は、1985年からビキニ水爆実験被災船調査に取り組み、のべ1000隻を超える追跡調査からこれまで報道されてこなかった被曝の実態を告発。第5福龍丸以外の被害について報道規制が行われ、場所や規模、放射能被害も明らかにされない背景に、国が強引に進めて来た原子力開発があると指摘しました。
 そして福島原発被災地域の海洋汚染調査から、汚染海域が南下し、茨城、千葉、東京湾海底に堆積し始めている状況について報告。また、高知で自主的にビキニ事件の学習を積み重ねてきている高校生と福島の高校生との交流を紹介し、「今年8月には、広島、長崎、ビキニ、福島を結ぶ日韓高校生による放射能被災合同調査を行う。原発ゼロに向けた国民的運動をさらに広げよう」と訴えました。
 つどいに先立って同京都の会の総会が開かれ、▽核兵器のない世界を目指す活動▽非核自治体宣言運動、平和市長会議加盟促進の取り組み▽原発のない日本を目指す取り組みなどを柱とする2012年度活動方針を採択しました。常任世話人の1人、望田幸男同志社大学名誉教授が「25年の運動で原発のない日本目指そうと掲げたのは初めてだが、福島原発事故をきっかけに私たちの運動の基本に据えなければならない」と述べました。
 この日夜には、25周年を祝いレセプションも行われました。