フクジュソウ 冬の植物園では、梅林園のロウバイと植物生態園のわずかな草花が小さな花を付けています。生態園ではセツブンソウ、小さな筒状の白花のテッポウユリ、スノードロップや黄色いフクジュソウなどが枯葉の中から可憐な花を咲かせています。
 フクジュソウ(福寿草:キンポウゲ科、Adonis ramosa:属名はギリシャ神話に登場する美少年Adonisにちなむ)は古くから栽培され多くの園芸品種があります。ガンジツソウやガショウランとも呼ばれ、立春を新年としていた江戸時代には、いち早く春をつげる「福告ぐ草」であり正月に飾る縁起の良い花として親しまれてきました。
 厳冬でも耐寒性は抜群で、朝鮮、中国やシベリアなどが原産地です。花は気温が上がると開き、下がると閉じ、オワン型の花が集めた光で温度が上がると、こごえた虫が暖まりにやってきて花粉を運ぶといいます。
 花言葉は「永遠の幸せ」「思い出」など。(仲野良典)
 「敷きおける籾がらを見ればはつはつに頭出せり福寿草の莟(ツボミ)」島木赤彦