雇い止め和解 龍谷大学(京都市伏見区)で契約更新を前提に臨時教員として勤務しながら、雇い止めされたのは不当として元助手の嶋田ミカさん(48)が地位確認を求めた裁判の和解が昨年12月に成立したことを受け、16日夜、同大学内で勝利の報告会が行われました。支援してきた教職員や学生ら60人余が喜びを分かち合いました。
 嶋田さんは2007年4月、3年間の期限付きで龍谷大学経済学部のラーニングサービスセンターに特別任用教員助手として勤務。内規では「1回に限り契約更新できる」とありましたが、昨年3月に雇用を打ち切られ、昨年7月に提訴していました。
 和解では4月から新たに1年の期限付き同大学アフラシア多文化社会研究センターの研究所助手として雇用されることになり、25日から助走期間として勤務が始まります。
 報告集会では、弁護団や龍谷大学教職員組合、京滋地区私大教職員組合連合、「嶋田ミカさんの雇用継続を求める会」「大学非正規労働者の雇い止めを許さない関西緊急集会」実行委員会から喜びとともに連帯のあいさつが披露されました。畑地雅之弁護士は「非正規雇用の裁判で和解し、職場復帰できるケースは画期的。同様の闘いをしている組合や弁護士からの問い合わせが増えている」と経過を報告。同大学職組の由井浩委員長は「歴史に残る闘いの事例ではないか。組合として当局との団交や臨時大会でも支援を決定した。本人をはじめ、弁護団、支援者の方々の支えが大きい。敬意を表したい」と述べました。
 嶋田さんは「皆さんの支援に心からお礼を言いたい。和解内容が1年という期限付きで悩んだが、私のように使い捨てられることがないようにしてほしいのが悲願。裁判闘争を続けるより、非正規で働く人たちにエールを送りたいと決断しました」と感謝と決意を語りました。