日本共産党宇治市議団(水谷修団長、6人)は4日、昨年12月市議会定例会についてのコメントを発表しました。以下全文を掲載します。


2011年12月市議会定例会について

2012年1月4日 日本共産党宇治市会議員団

 宇治市議会12月定例会(12月2日開会、27日閉会)は、野田政権が消費税増税や社会保障改悪など公約投げ捨てて、対米従属・大企業奉仕の政治に終始する中で開かれた議会でした。また、保育充実求める署名(7159筆)、教育署名(4974筆)、子ども医療費拡充求める署名(2217筆)の3請願(計1万4350筆)が提出されるなど、たくさんの市民の願いがよせられた議会でした。

  1. 全学校へのエアコン設置2014年度完了へ、鳥獣被害対策…補正予算
     「暑さ寒さに耐えるのも教育(教育部長)」とのエアコン設置を否定する宇治市方針を、市民運動と議会論戦で変更させて、普通教室へのエアコン設置が始まり、昨年度と今年度で小学校11校・中学校4校で整備されました。そして12月議会で、来夏に間に合うように、エアコン設置予算(3億7100万円)が補正計上されました。莵道第二、神明、小倉、大開の4小学校と宇治、西宇治の2中学校に設置されます。残る6小学校・3中学校は2014年度に完了することになります。
     シカ・イノシシなどによる鳥獣被害が急増し、住民から悲鳴が上がっています。共産党くり返し実態把握と対策を要求してきました。約2800万円の追加補正が予算計上され、これにより山間地8地区で延長14キロメーターの防護柵が今年度中に設置されることになります。
  2. 国保料取りすぎて大黒字になった国保会計ー料金引き下げを
     市の国保料は10年連続引き上げられ、例えば所得200万円4人家族で43万7200円のとなり、2001年度の29万1360円と比べると、10年間で1.5倍。 2010年度、赤字になるとして4.63%も引き上げましたが、4億7300万円も黒字。過年度の国庫負担金の返還額1億5800万円を差し引いても3億1400万円を2011年度の財源に使えます。しかしその額は、2011年度の予算には未だに反映されていません。そして、2011年度も「収支不足」を理由に3.63%も値上げしました。
     ところが、このまま推移すれば、2011年度も3億円以上の黒字になる可能性が確実であることが、共産党議員の指摘で明らかになりました。保険料を上げすぎて黒字になったのですから、取りすぎた保険料は市民に返すべきです。
  3. 子育て拡充の3請願ー民主・自民・公明などが反対
     「子どもの通院医療費拡充を求める請願」 「保育の充実を求める請願」 「ゆきとどいた教育を求める請願」は、共産・社会など10議員が賛成、民主・自民・公明など17議員が反対し不採択となりました。
     子どもの医療費について、府の福祉医療検討会が、来年度から通院も小学校卒業まで助成(3000円超)すべきと提言。 共産党議員の「小学校卒業まで通院医療費を無料にするのにいくらかかるのか」との質問に、市は「(府検討会の提言どおりならば)2億2280万円」と答弁。来年度は、住民税の年少扶養控除33万円が廃止され子育て世代にとって大増税となり、市は約5億4000万円の増収です。共産党議員は「この増収分の一部を使って実施すべき」と拡充を求めました。
     保育所の待機児は211人(12月1日現在)で、とりわけ0歳児等の定数不足が深刻です。待機児解消はあたり前の要求です。ところが民主・自民・公明などは「多額の財源を必要とする。過大な要望(公明議員)」と市民の願いに背を向けました。
     学校耐震改修の早期実現やエアコン設置は当然の願いで、30人学級を国の責任で実現することが重要です。ところが民主・自民・公明などが市民の願いに応えず、反対しました。
  4. 可燃ゴミ収集・給食調理の民間委託やめるべきと予算修正を提案
     これまで宇治市は可燃物収集を直営で行い、市民との協働によって近隣自治体に比べてゴミ減量で大きな成果を上げてきました。障害者、高齢者の個別収集(ふれあい収集)は直営だからこそできるものです。また、委託先ではアルバイトが多いなど低賃金・不安定雇用の官製ワーキングプアーを生んでいます。
     「食育」が重視されるようになり、給食は公教育の重要な一環であり、学校教職員が一体で取り組まねばなりません。ところが民間委託では、校長や栄養士が、委託先の調理員を指揮命令することは違法で、一体の取り組みができません。また、委託先では「最低賃金」ギリギリの賃金になっています。
     こうしたことから、共産・社会両議員団共同で、民間委託予算2億3000万円を削除する修正案を議員提案しましたが、反対多数で否決されました。
  5. 5、集会所再生プランー公立集会所の廃止方針
     宇治市はパブリックコメントで市民意見を聞いたとして、「宇治市集会所再生プラン案」を発表。これは131ヶ所の公立集会所を廃止し、利用料は自由裁量に任せ、小修理等は地元負担にし、現在の集会所管理者制度はなくすというものです。
     パブリックコメントでは58人から意見が寄せられ、40件以上の反対意見が寄せられています。これは廃止しないでほしい、利用料負担の増大や利用しづらさを心配する声です。しかも、町内会など関係者に周知することもせずに実施したパブリックコメントでした。安上がりを目的としたものであり、公立集会所の廃止は行うべきではありません。
  6. 「TPP交渉参加に抗議する意見書」など可決
     「APECでのTPP交渉参加表明に抗議する意見書」に民主党が反対しましたが、共産・自民・公明・社会などの賛成で可決しました。また、障害者総合福祉法の早期制定を求める意見書など5意見書は全会一致で可決しました。
     「消費税の増税をしないことを求める意見書」に、共産・社会などが賛成、民主・自民・公明などが反対し、否決されました。