木を切らないで 「近所の木を切らないで」─京都市北区上賀茂の住民らがこのほど、府が計画していた賀茂川沿いにある樹木の伐採をストップさせました。住民らが署名運動などを行って中止させたもので、喜びの声が上がっています。
 伐採が計画されていた樹木は、北区上賀茂南菖蒲園町の賀茂川(鴨西通)沿いにあるエノキ。樹齢は100年近くで、高さ12~13メートルです。
 府土木事務所は、10月19日に「業者(住宅販売)から伐採したいと相談があった」として、木の伐採計画を近隣住民に発表。業者側は伐採の理由を「車の出入りの邪魔になる」「景観に支障はない」「住環境はむしろ良くなる」などとしていました。
 これを聞いた住民らが「木を1本切ってしまったら、さらに周辺の木も簡単に切られるかもしれない」「防災機能や自然保護の観点からも伐採はやめて」と声を上げ、府に何度も要望。日本共産党の浜田良之府議や玉本なるみ市議も運動に協力してきました。
 今月14日には、364人分の署名を持って要望し、府側は「伐採しない」と表明。さらに府は「他の大木についても安易に伐採せずに保全の方向で進めていきたい」と回答しました。
 要望してきた住民のひとり、本城元子さん(63)は、「すぐ近くに住んでいます。この木が切られたら、うちの前にある桜など、景観をつくる近くの木々も切られるかもしれない。水害など防災の面からも切らないでほしいと訴えてきました。近所の方もみんな賛同してくれたので、本当に良かったです」と語りました。