辵(ちゃく)展 江戸期の御用印判司「鮟鱇窟(あんこうくつ)」主で京都の古伝道統の篆刻(てんこく)を継ぐ水野恵氏が率いる「辵璽林(ちゃくじりん)」門下生らによる「辵(ちゃく)展」が、京都市中京区のギャラリーみすやで始まりました。18日まで。
 今年は「偶然と必然」をテーマに20人、35点の書や篆刻が展示されています。書の「爾悠屯離引互」はニュートンリンゴの当て字。此処(爾)にあっても遠く(悠)にあっても、集まっていても(屯)、ばらばらであっても(離)、互いに引き合うという意味で、万有引力の必然を意図しています。また、「師如針弟適其糸」は師と仰ぐ人に出会ったら素直な気持ちで教えを請いたいという意味が込められています。
 篆刻では「光」「絆」「時節因縁」などの言葉や岡倉天心の詩などを彫った力作が並んでいます。
 水野氏の書は「豆腐は売れずおからが売れる」。水野氏は「豆腐を作ったらおからは必ずでるもんどす。おからの方が栄養があっておいしいという人もいてます。こっちがええと思うても思うようにはいかしませんやろ」とユーモアたっぷりに解説していました。