任期満了にともなう京都市長選挙(来年1月22日告示、2月5日投票)に、門川市長が立候補を表明(10日)したことを受け、すでに立候補を表明している「市政刷新の会」の中村和雄弁護士が14日、門川氏が発表した「基本政策」について「抽象的で政策能力はまったく信頼できない」とする文書を発表しました。以下、全文を紹介します。


門川現市長の立候補表明にあたって

中村和雄

 12月10日、現市長である門川大作氏が次期市長選挙への出馬を表明し、いよいよ一騎打ちの選挙戦が本格化しました。門川氏は出馬表明にあたり、「私の決意と基本政策」という文書を発表しました。
 私はこの文書を読んで唖然としました。抽象的な美辞麗句が並んでいるだけで、これまでに具体的にどんな成果があったのか、これから具体的にどのような政策を実行しようと考えているのかがまったく書かれていないのです。この4年間近くの市長として活動してきた者が市民に対して今後の市政運営の継続を訴える文書としては、あまりにも内容が乏しすぎます。
 また、門川氏はこの4年間について「福祉や教育、市民生活の安心・安全を守り、中小企業や地場産業をしっかり支え、『環境モデル都市』の推進や、人と公共交通優先の『歩くまち・京都』の推進、産学公連携による『知恵産業』の創出など、未来の京都への先行投資も積極的に行ってきました。」と評価していますが、私には到底その様な成果があったとは思えません。格差と貧困を拡大し、市民の願いに背を向けて次々と制度を改悪してきたのがこの4年間ではないでしょうか。いくら抽象的な美辞麗句を並べても、その政策能力に対してまったく信頼できないといわざるを得ません。
 門川氏が掲げる「基本政策」もきわめて抽象的です。「厳しい経済環境にある中小・零細企業、地場産業をしっかりと支援します」と書いていますが、具体的にどうやって支援するかがまったく書かれていません。「京都のブランド力向上」といいますが、どうやれば向上するのか具体策抜きにただ向上させるといっても無意味です。
 私は、落ちこんだ京都経済ときわめて劣悪な労働環境を克服するための具体策として、公契約条例や耐震改修助成制度を提案しています。門川氏がこれらの具体策について、どう考えているのか大いに議論をしたいと考えます。
 また、「脱原発」についても推進する気はないようです。「原発に依存しない社会の早期実現にむけて」と記載しているものの、「すべての原子力発電所の廃止」については一言も触れません。原子力発電所の再稼動についても容認なのでしょう。福島第一原発事故を受けた今日、政府や電力会社に原子力発電所の廃止を強く求めることは市民のいのちと安全を守る立場にある市長としての責務ではないでしょうか。脱原発に背を向ける市長に京都市政を任せることはできません。
必ず、市政刷新を実現し、市民の願いを実現する京都市政をつくりましょう。