ユリカモメ さむい冬空が少し遅かった京の街にも北風吹く冬がようやく訪れました。その冬空を告げるユリカモメがカムチャッカ半島あたりから日本に渡ってきており、京の街の鴨川にもやっと飛来してきました。写真は鴨川五条大橋下流付近(正面橋から撮影)で群れをなして乱舞するユリカモメの群れです。太陽が照る川面に浮かんでは小魚を捕ったり、羽を休めています。京の冬の風物詩としてすっかり親しまれるようになりました。
 ユリカモメのビューポイントは、北は上賀茂神社の北にある賀茂川志久呂橋あたりから南は七条大橋にかけてです。琵琶湖に戻る夕暮れ時には輪を描くように群れて舞い上がります。河川敷の遊歩道や橋を通る人達は、乱舞したり、川面に羽をのばすユリカモメたちを「白くてかわいい」と目を細めて眺めています。(仲野良典)

 ユリカモメ(チドリ目:カモメ科:カモメ属で種はユリカモメ、学名=Larus ridibundus:英名=夏期は頭部が真っ黒からBlack-headed Gull)は足と嘴は淡燈色で羽は真っ白、冬は頭部も真っ白、目の後ろに黒い斑(フ)点があります。
 鴨川や山科川のユリカモメは夜のねぐらは琵琶湖。早朝、比良山の上空を通過して京の川に飛来してきます。ユリカモメの名前の由来は諸説ありますが、江戸期後期に「百合鴎」と書かれ、ユリの花のように白いきれいな鴎という意味の説、ユリは古語で「後ろ」の意で京の「後」(うしろ:おく)は若狭でそこから谷間を飛来してみやこの鴨川に渡ってくるからという説、「イリエカモメ(入り江鴎)」が転じてユリカモメとする説などで定説はまだないようです。