東京電力福島第1原子力発電所の事故を受け、日本共産党は、「政府は、原発からの撤退を決断し、原発をゼロにする期限を決めたプログラムの策定を」と提唱、国民的運動を呼びかけています。原発問題、エネルギー政策についての府民各層の主張・提言をシリーズで紹介します。

京都と連帯して運動

 無所属で市議を4期していますが、福島原発事故が起こり、初めて表立って原発の危険性や脱原発を訴えるようになりました。敦賀原発1、2号機と高速増殖炉「もんじゅ」がある敦賀市では、原発に関わる労働者や業者の方が多く、脱原発を訴えるのは大変なことです。
 春に行われた選挙で私が演説すると、人が家に引っ込んだり、ずっと応援してくれた人の反応が悪くなるなど、サッと引いていくのが分かりました。
 あまりにも反応が悪いので訴えるのをやめようかと思いましたが、甲状腺ガンにかかった女性から「私がガンになったのもひょっとしたら原発の影響かもしれない。今こそ市民のために原発の問題を訴えてほしい」と励まされ、最後まで訴えることができました。選挙で当選はできましたが、得票は前回よりも大きく減り、順位も下がってしまいました。
 でも敦賀の人が原発に不安がないわけではありません。「被ばくしているかもしれない」「事故が起こったら住めなくなる」という不安を持って暮らしています。不安をなくすためにも原発はなくすしかありません。
 正直に言って、敦賀など原発立地自治体で脱原発を訴えると、「仕事・産業がなくなる」という反発が起こり、運動を広げるのは大変です。京都など電気を消費する側の方から「原発はいらない」という声をどんどん広げて欲しいと願っています。
 私は京都の大学を卒業していますし、京都と敦賀は歴史的にも強い交流があります。京都の方と連帯し、原発をなくす運動を大きく広げていきたいですね。(「週刊しんぶん京都民報」2011年10月2日付掲載)
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