相楽平和委員会は8月27日、精華町のむくのきセンターで「大地震と祝園弾薬庫」と題した講演会を開き、同町民ら27人が参加しました。
 防災・環境地質学者の志岐常正京都大学名誉教授が「地震防災と近畿の活断層」をテーマに講演。志岐氏は80歳を超える高齢ながら、長年の研究と市民とともに防災を考える活動をしてきた経験を踏まえた内容に、参加者らは熱心に聞き入りました。自然災害の予知は困難であり、災害は忘れたころにやってくるものなので、最悪の場合を想定して備えることが大事だと述べました。災害には自然的要因と社会的要因があり、防災の大切な点は社会的要因を作らないことだとして「原発や弾薬庫も災害の社会的要因として考え、それらをなくすことが大切だ」と指摘。精華町のハザードマップや奈良盆地東縁断層系の具体例をあげながら震災への備えを呼びかけました。
 片岡明・京都平和委員会事務局長が「基地をめぐる最近の情勢」として祝園弾薬庫の歴史とともに、広島の米軍川上弾薬庫における不要になった小銃弾などの加熱処理に伴う騒音発生問題を報告。住民の騒音被害訴えにより、防衛局が防音壁工事を行うと約束したことを紹介しました。
 相楽平和委員会の坪井久行事務局長が、祝園弾薬庫の歴史、機能、アメリカ軍との関係、92年4月8日の大音響の真相、弾薬庫の撤去は可能か、などの質問に答えました。
 質疑では「自治会から町に対し、弾薬庫の内容を公開せよと要望しているが権限外といって取りあげようとしない」「国は弾薬庫の中に活断層が通っているか調査すべきだ」などの不安や意見が出されました。(T)