東京電力福島第1原子力発電所の事故を受け、日本共産党は、「政府は、原発からの撤退を決断し、原発をゼロにする期限を決めたプログラムの策定を」と提唱、国民的運動を呼びかけています。原発問題、エネルギー政策についての府民各層の主張・提言をシリーズで紹介します。

団扇で気軽に行動

 団扇(うちわ)で脱原発を訴える「『団扇で脱原発』プロジェクト」を、6月末に有志で立ち上げました。着実にカンパ、注文が入り現在、11万枚になりました。団扇は、一見すると脱原発を訴えるものとは分かりませんが、よく見ると色々な情報やメッセージがつまったものになっています。手軽に手に取ってもらい、考えてもらうきっかけになればと思います。
 私は1人の市民として脱原発を訴えています。脱原発のデモに参加するのはちゅうちょしてしまうという人に、気軽に参加できるようにと、夏の風物詩を用意しました。デザイナーさんやツイッターを見てくれた人、直接協力を申し出てくれた個人などの協力を得て、配布しています。すでに祇園祭で2万枚、大阪の天神祭では2万枚以上を配布しました。京都の映画館に置いてもらうと3日間で600枚の団扇がなくなりました。
 私は6年ほど前から沖縄の米軍基地撤去を支援する活動に取り組んでいます。原発と沖縄の基地には、一部の人に犠牲を強いて成り立つという構造的に共通している部分があることに気づきました。また原発は地域の住民や労働者の命を軽視していると感じています。脱原発を進めるには、沖縄の米軍基地や原発の立地を許してきた社会の構造を変える必要があると思います。
 放射能による汚染は数十年に及ぶと考えられます。脱原発を訴えるとともに、高い放射能汚染レベルに住んでいる人の避難を、政府に求めるのはもちろんとして、私個人としても被災地の避難者を受け入れる支援に取り組んでいます。1人の母親として、子どもに関する放射能の不安は共感できます。できることはなんでも支援していきたいと考えています。

 同プロジェクトに関する問い合わせは、「団扇で脱原発プロジェクト」TEL070・5600・3611(赤尾)/e.pithecanthropus@gmail.com。(「週刊しんぶん京都民報」2011年8月7日付掲載)
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