TPPは、政府が唐突に推進しだした、という受け止めを私たちはしています。農家の現状は、例えるなら「幼子」で、とても自立できる状況にありません。それで他国との厳しい競争に放り出されたら、たまったものではありません。
 京丹後市は高齢化が急速に進んでいます。市の高齢化率は28%。限界集落も増えています。市の農家の平均年齢は68歳となっています。新期就農もありますが、抜本的な対策が必要です。
 あわせて近年、鳥獣害が増えています。丹後半島には昔、田んぼ・畑を荒らす動物はタヌキやサルぐらいで、それも大人しい方でした。今はシカやイノシシ、またヌートリアまで出てきています。相手は生き物ですから、調和の取れた対策をすべきです。
 さらに、日本の食卓にコメが少なくなったことも私たちには打撃です。コメ食など伝統文化を守りながら食育を進め、各家庭でコメについて考えてほしい。
 政府には安心して農業できる環境整備こそやってほしい。(「週刊しんぶん京都民報」2011年3月13日付に掲載)