ボケにメジロ 三寒四温の季節というものの、真冬並みに冷え込む今日この頃の京都ですが、市内民家の庭先のボケに濃緋の花が咲きはじめ、さっそくメジロが蜜を求めて飛んできて(写真)、春突入です。
 ボケ(木瓜:英語=Japanese quince)は、中国が原産で、日本には平安時代に渡来し庭木としてたくさんの園芸品種がつくられるようになりました。増殖は挿し木、株分け、取り木といろいろな方法があります。写真はボケの代表的なトウヨウニシキ(Toyonishiki)で紅色や白の花を同じ株からはっきり色分けして咲かせるなど変化に富み愛好家が多いようです。花言葉は「早熟な人」でいち早く春を迎えるからでしょうか。
 一方メジロ(目白:Zosteropidae)は目の周りが白いから目白。英語もWhite-eyeで、オーストラリア英語ではSilver-eyeと言い、目の印象が強いようです。双眼鏡で目をよく観察すると、目の周りの白い部分は白い絹糸で刺繍したような羽毛がびっしり生えています。だから漢字で「繍眼児」(児は可愛い、小さいの意)とも書かれています。アフリカ、フィリピン、マニラ、中国、オーストラリアやニュージーランドなどにすんでおり、日本では北海道・本州北部では夏鳥、本州中部より西南地方は留鳥として珍重されています。
 大勢並んだりする様子を目白押しと言いますが、枝にメジロが押し合うようにたくさん止まっている様子からきていることはよく知られています。(仲野良典)