20101120-01.jpg 京町家で初めて庭が名勝指定される杉本家(重要文化財、京都市下京区)を19日、日本共産党の穀田恵二衆院議員が訪れました。京都民報紙面で連載(2009年4月5日付から2010年3月28日付)した「京町家の草木」執筆者で杉本家保存会学芸部長の杉本歌子さんの「京町家の木もれ日」の出版記念原画展も合わせて鑑賞しました。
 同庭の名勝指定は文化審議会が19日、文科省に答申したもので、今年6月、重要文化財に指定された杉本家住宅につく「杉本氏庭園」として芸術性と機能性が共存していると評価されたものです。客を迎える奥座敷にはモッコクやクチナシなどの木と灯ろう、ちょうず鉢があり、かまどが設置された台所庭(走り庭)、洗いものをする洗い庭など京町家独特の生活の場として同庭も指定の対象となりました。
 杉本歌子さんの案内で庭を見学した穀田氏は「生活の場としての庭の指定は貴重です。保存・維持は大変だと思いますが、京都の財産として活用しながら守っていってください」と激励しました。
 歌子さんの原画に描かれた草木はいずれも同家の庭で咲いているもので、計42点が家の各所に飾られています。祖母がいた座敷には、祖母が好きだった薔薇や水仙の花の絵を飾り、父母が好きな花で祖母の命日に必ず咲くという泰山木と数珠として加工された無患子(むくろじ)は仏間に置くなど、それぞれの花の思い出とにまつわる部屋に展示されています。
 杉本さんは「私が生まれたのはこの家が200年を迎えた年でした。家の歴史に押しつぶされそうな気持ちの時もありましたが、庭の名勝指定もいただき、出版もできて、家が喜んでいる気がします。私にもご褒美(ほうび)がいただけたということでしょうか。責任を持って未来につなげていかなければと思っています」と話しています。