28日に9月定例京都市議会が閉会したことで、日本共産党京都市会議員団は声明「9月定例市会を終えて」を発表しました。


〈声明〉9月定例市会を終えて
1.9月15日に開会した9月定例市会は、44日間の会期を終え、本日閉会しました。党議員団は、地球温暖化対策条例の全部改正や必要な10年度特別会計補正など71議案に賛成、09年度決算については、母子寡婦福祉資金貸付事業特別会計など17議案を認定しました。また、空き缶持ち去り禁止を盛り込んだ廃棄物の減量及び適正処理等に関する条例の一部改正には、修正案を提案しましたが、自民、民主・都みらい、公明が否決したため、原案には反対しました。高速道路建設関連予算を含む10年度一般会計補正予算、急病診療所を全部廃止する条例、汚染土壌を残したままの南区東九条地域小・中学校(仮)新築工事請負契約の変更などに反対し、09年度一般会計決算や後期高齢者医療特別会計決算など7議案の決算は認定しませんでした。また、公明党が議員提案した自転車安心安全条例については、党議員団は安全対策の一定の強化を求めるものであることから賛成し、民主・都みらいも賛成し、可決しました。
1.意見書では、未発症者も含めた被害者全員の救済を求める「B型肝炎問題の早期全面解決を求める」意見書、弁護士会の要請を受けた「速やかに取り調べの可視化の実現を求める」意見書など4件を全会一致で、「尖閣諸島沖における中国漁船衝突事件に関する」、「小沢一郎衆議院議員の国会証人喚問を求める」、「米価下落への緊急対策を求める」意見書は、民主・都みらいが反対しましたが、共産、自民、公明の賛成多数で可決しました。旧来型の公共事業予算の確保を求める「新たな経済対策を求める」意見書と、巨額の京都市負担につながりかねない「リニア中央新幹線の京都ルート実現に関する」決議には党議員団は反対しました。
1.今議会では住民の運動と党議員の論戦で貴重な成果を引き出しました。円高が急速に進む中、党議員団は府会議員団とも連携して実態調査を行い、京都市に緊急対策を行うよう申入れました。これに対し、京都市は「円高関連特別経営相談窓口」を開設し、金融機関や国に対する緊急要望を行いました。また、地球温暖化対策条例には、温室効果ガスを2020年度に90年度比で25%削減する目標を明記しました。同和特別扱いの一掃を求めてきた問題では、コミュニティセンター(旧隣保館)を廃止し、いきいき市民活動センターとして完全に一般施設とすることになりました。その他、子宮頸がんワクチン助成を来年1月から実施すること、国民健康保険の一部負担金の減免制度の拡充を約束させました。京北病院では、常勤医師1名の確保と労働基準監督署から指導されていた看護師の32時間連続勤務については矛盾を残しながらも改善が図られることとなりました。党議員団は市民の切実な要求実現に引き続き粘り強く取り組みます。
1.ホームレスの生存権と人権を侵害する「空き缶持ち去り禁止条例」に対して、成立を阻止しようと議会を包囲する運動が大きく広がりました。短期間に集められた署名は4000筆を超え、反貧困ネットワーク事務局長である湯浅誠氏を始め、全国各地から支援の声が上がりました。党議員団は一貫して条例案の撤回を求めるとともに、ホームレス支援策の不十分さを明らかにしました。京都市は、あわててホームレスの聞き取り調査を行い、ホームレス能力活用支援事業に取り組むといわざるを得ない状況まで追い込みました。 党議員団は空き缶持ち去り禁止の条項を削除する修正案を提案しましたが、自民、民主・都みらい、公明はこれに反対するとともに、原案に対して本会議で賛成討論を行い言い訳に終始しました。京都市とともに、空き缶持ち去り禁止を強行したオール与党の責任は重大です。また、地域医療を支えてきた京都市急病診療所の全部を廃止する条例を自民、民主・都みらい、公明が賛成して可決しましたが、党議員団は公的責任を後退させるものであり、問題点を討論で明らかにして反対しました。
 本日報道の資源ごみ持ち去り禁止条例に関する記事については、施行日を延期する修正案については打診や対応の事実はなく、京都市会として抗議し、訂正を求めることになりました。
1.決算の対象となった09年度は、市長が策定した未来まちづくりプランを実行した初年度であり、市民には国民健康保険料の10億円もの値上げを押し付け、保育所補助金の削減や、市立病院の地方独立行政法人化など福祉施策を大きく後退させた決算となりました。党議員団は、国民健康保険特別会計では、直前に寄せられた900通を越える国保アンケートの回答を力に、保険料の値上げ分を上回る11億円もの黒字は保険料の値下げにまわし市民に還元すること、民間保育所補助金は予算を上回る8億円を削減していたことを明らかにし、補助金の復活を求めました。一方で、高速道路関連に81億円、焼却灰溶融施設には35億円を投じムダ遣いを推進しました。市立病院は地方独立行政法人化を推進し、院内保育所の保育士を全員解雇するという方針を打ち出す暴挙を行いました。京北病院では住民に対する医療を後退させないという合併時の約束を反古にする医療機能の後退を進めています。市バスでは、住民要望に応えて求めてきたバス停のベンチの設置等バス待ち環境改善を進めさせました。一方、管理の受委託を継続し、民間バス運転手の低賃金や労働条件を悪化させたままとなっています。
1.会期中の10月4日には、市長の諮問会議である京都市財政改革有識者会議が、今後10年間の意図的・機械的シミュレーションを利用し、「何もしなければ夕張のようになる」として、市民負担増や市民サービスの切捨てを迫る「提言」を発表しました。来年度以降の予算編成に反映させるとしている中身は、市独自の市税軽減措置の廃止や敬老乗車証の縮小など、他都市にない制度や政令市平均を超えるものについては見直しを求め、国の配置基準や標準で配置しているケースワーカーや消防職員の削減すら打ち出しています。党議員団は、直ちに見解と提案を発表し、財政危機を招いた原因にメスを入れ、市民のくらしと福祉、中小企業の応援で財政を立て直すことこそ自治体本来の財政健全化の大道であることを示しました。市長は「全国トップクラスの福祉施策を維持するための努力はしていかなければならない」と答弁したものの、焼却灰溶融施設の本格稼動の中止を拒否し、高速道路の未着工3路線の中止については明言しませんでした。
 有識者会議の「提言」では、策定中の京都市基本計画(2011~2020年)と一体の改革実行計画の策定を求めており、京都市は来年度予算から提言を具体化しようとしています。民主党政権は地域主権改革と称して、福祉や教育の分野で国の最低基準(ナショナルミニマム)を廃止し、地方にゆだねようとしています。同時に、国の財政責任も放棄し、来年度から地方自治体に対する補助金を一括交付金として財源の縮小も狙っています。京都市が具体化を進めようとしている「提言」を実行すれば、地方自治体の役割を完全に投げ捨てるものにつながりかねません。党議員団は市民の皆さんとともに、憲法と地方自治法を堅持し、その役割を果たすよう求める運動を大きく広げていく決意です。