気象予報を配信する「ウェザーニューズ」(東京都港区)に勤め、過労自殺した気象予報士の男性=当時(25)=の遺族が1日、同社に損害賠償を求めて京都地裁に提訴しました。
 訴えた遺族は京都市在住の母(59)と兄(32)。訴状によると、男性は2008年4月から正社員として、テレビ局に送信する天気予報原稿の作成業務に従事し、半年間でおよそ80~230時間におよぶ残業を続け、うつ病を発症。同年10月2日に自殺しました
 提訴後の記者会見で、原告の兄は、「同社に説明を求めると、『本人が夜中まで遊んでいた』など無責任な回答だった。二度とこのような事件を起こさないよう提訴した」とのべ、母は「気象予報士は小さいころからの夢だったのでがんばっていたのに、悔しい」と訴えました。
 村山晃弁護士は同社にタイムカードがなく、常軌を逸した長時間労働をしいており、安全配慮義務に違反していたと指摘。また同社が雇用6カ月の期間を「予選期間」と称して、同社が不適当と判断すれば解雇すると圧力を男性にかけていたとし、「休暇・休日も満足に与えず長時間労働をさせた上、『このままでは予選を突破できない』と解雇を示唆するプレッシャーを与えた。同社の責任は重い」とのべました。
 男性の勤務地にある千葉労働基準監督署は過労自殺が業務に起因するものと認めています。