岡部伊都子さん偲ぶ会 随筆家の岡部伊都子さんの3回忌にあたって本山修験宗門主の宮城泰年さんが18日、京都市北区出雲路の旧邸「紫明 卯菴」で、「岡部伊都子さんと御仏」をテーマに講演しました。安斎育郎・立命館大学国際平和ミュージアム名誉館長ら7氏の呼びかけによるものです。
 岡部さんは、許婚を沖縄戦で亡くし、反戦のため沖縄の基地撤去を主張してきました。
 宮城さんは、岡部さんが自らを「加害の女」と呼んでいたのは許婚を戦場に送り戦死させたことへの自戒にとどまらず、多くの命を奪った戦争を批判しなかったことへの自責の念を込めたものだった、と指摘。「岡部さんの生涯は、血の出るような懺悔(さんげ)の行(ぎょう)だった」とのべました。
 さらに、岡部さんが真実から目を背ける態度を厳しく批判してきたことを紹介。日本政府が米軍基地被害に苦しんできた沖縄にさらに基地を押し付けようとするもとで、本土の人が沖縄の現実に無関心でいるなら、「岡部さんは、身をよじって悲しむだろう」とのべました。
 3回忌にあたっては、4月29日にテノール歌手・李広宏さんの公演、同30日に、近代文学研究者の尾形明子さんと藤原書店の藤原良雄社長の対談、5月8日には女優・池波教子さんによる岡部作品の朗読が、いずれも旧邸で行われました。
 日本共産党の穀田恵二衆院議員(4月30日)、西山登紀子元参院議員(3日間)が参加し、あいさつしました。