京都市議会本会議で19日、京都市立看護短期大学の廃止に関する条例案が否決されたことを受け、25日に「京都市立看護短期大学あかね同窓会役員会」と「京都市立看護短期大学の存続を求める学生の会」の代表らが門川大作京都市長宛てに市看廃止の撤回と、平成22年度の学生募集の再開を求める要望書を提出しました。要望には、京都市保健福祉局が対応しました。
 「あかね会役員会」は要望書で、「否決」を受けて京都市は市看職員・学生・保護者の意見をよく聞き、看護関係有識者との協議を尽くすこと、市看教授会で今後の方針について責任ある協議を行い、その議事内容を公開することなどを強く求めました。
 「存続を求める学生の会」は要望書で、22年度学生募集を直ちに開始すること、市看の今後について学生・教職員・保護者・卒業生・医療関係者・市民らと協議し、市立のままで維持・発展することを求めました。
 京都市立看護短期大学の学生代表は春休み中である3月21日から同月25日までにメールで市長へのメッセージを募集し、33人の学生から集めた「看護科の不十分な京都市が、看護師を確保するために来年度の50人は確保すべきです」「看護師不足の問題に真剣に取り組もうと考えているなら市看は公立のままであるべきだと思う」など生の声を紹介しました。
 これに対し市側は、「否決を受けて今後の方針を検討中だ。条例は否決だが市看廃止での予算組みなので、こちらとしても困惑している。慎重に議論していきたい」と回答しました。
 「あかね会役員会」の代表は、「今まで市看廃止の問題をメディアに訴えてきたが、取り合ってくれなかった。否決で大きく報道された。京都市の人らは、今回でやっとこの問題を知ったんじゃないだろうか」との元大学関係者の声などを紹介しました。(山手五郎)