解雇を通告された京都府医師会で働く女性2人が、このほど解雇撤回を勝ち取りました。女性は「労働組合やたくさんの人に支えられ、解雇撤回することができてうれしい」と喜びの声を上げています。
 解雇を撤回させたのは、同医師会で勤続6年の38歳と勤続8年の55歳の女性2人。2人は1年ごとに給与を定めた覚え書き(契約書)を交わし、正職員と同様に働いていました。
 同医師会は昨年、2人を今年3月末で雇い止めることを通告。2人は加入する労働組合「京都府医師会労働組合」を通じて団体交渉してきましたが進展せず、今年2月26日、突然の雇用打ち切りは違法として京都地裁に地位保全などを申し立てていました。
 同労組は申し立て後も交渉を続け、同医師会は4日、2人の解雇を撤回し、来年度も覚え書き(契約)を交わすと回答。同医師会は16日、「解雇通告が2人の心情を大きく傷つけた」と謝罪し、「更新管理を徹底しないまま契約が数回繰り返された場合、期限のない契約と判示する昨今の凡例が存在すること」を考慮して解雇撤回に至ったことなどを文書で回答しました。
 これを受けて2人は19日、申し立てを取り下げ、全面解決に至りました。
 19日に会見した38歳の女性は、「1年以上つらい思いをしてきましたが、組合の方やたくさんの方に支援していただいて、解雇撤回できうれしく思います。こういったことが今後起こらないように助ける立場で手伝っていきたい」と話しました。