上高野葬儀場建設問題 京都市左京区上高野で、葬儀場が建設されています。建設工事は、周辺住民に事前説明なく強行的に進められ、反対の声が上がっています。16日には住民の建築確認取り消しを求める審査請求を受けて、京都市建築審査会が現地検証を行いました。
 葬儀場は、「集会場」として建築確認がおろされ、5月に着工。驚いた住民が市に問い合わせたところ、葬儀場と発覚しました。
 同市の「葬儀場の建築等に関する指導要綱」では、葬儀場を建設する際、「住民への事前説明」や「隣接地との4メートル以上の距離確保」などを求めていますが、床面積100m2以下の場合には適用除外とされています。問題の葬儀場は「床面積99.73m2」で申請され、「指導要綱」の内容を守らずに工事が進められています。
 これに対し、住民らは8月4日に「ひさし下部が床面積に算入されておらず、それを加えれば100m2を超える」と、建築確認の取り消しを求めて審査請求しました。
 この日、葬儀場建設予定地周辺には、建設反対の意志を示す黄色いハンカチを胸につけた近隣住民70人ほどが集まり、「宝ヶ池地域の環境を守ろう」「平穏な日常に戻してほしい」などの横断幕を掲げて、現地検証を見守りました。
 近隣に住む男性は、「寝室から内部を見ることができる。工事の音も気になるが、葬儀場が建設されると精神的に苦痛な生活をしなくてはならなくなる。葬儀のために交通量も多くなるだろうし、幼稚園の子どもが心配」と話していました。また、「ずっとこの地域の環境を守り育ててきた」と話す女性は、「事前に何の説明もなく、『指導要綱』の適用除外をねらったやり方に、一番腹が立つ」と憤然としていました。
 審査請求の代理人を努める飯田昭弁護士は、集まった住民らに、「今日、施設内にトイレがなく、施設外に新設される可能性があることが判明しました。ひさし下の実質床面積があることも考慮すると、『指導要綱』が適用されることになります。建設阻止まで追い込みましょう」と訴えました。