東福寺のサツキ 奈良の東大寺と興福寺の二大寺の名前にちなんで名付けられた東福寺(東山区)の方丈庭園には青々しい緑のスギゴケと白い敷石に赤いサツキがぽっかりと浮かんでいます。
 方丈庭園は1939年(昭和14年)に作庭された近代的な美しさを誇る禅宗庭園で、一度は訪れたい庭園です。特に5月下旬から6月上旬のサツキが咲く庭園は見事です。方丈庭園の南庭は竜安寺の枯山水の庭と同じくらいの広さで、庭石には奇岩などを配した枯山水庭園、西庭はサツキの刈り込みとくず石で方形に区切る庭園、北庭にはサツキの丸刈りと市松模様の敷石と杉苔との調和、東庭は円柱石7つを配して北斗七星を表す庭と、それぞれ特徴ある作庭となっています。
 来園者は方丈の広い縁側に腰を下ろしてほっこりとして庭園に見入っていました。(仲野良典)