京都市指定有形文化財に指定されている杉本家(下京区)で、29日まで春の一般公開として「上巳の節句 雛飾り」展が行われています。同住宅は(財)奈良屋記念杉本家保存会が管理。今回は、保存会所有の杉本家に伝わる雛人形や雛飾り、軸など20点あまりが展示されています。
 座敷には、7代夫人の実家から嫁入り道具として誂(あつら)えられた華やかな源氏御殿雛や当代次女の節子さんの誕生を祝ってつくられた人形などが並べられています。
 八畳の間には当代(9代)婦人の生家、斉藤家より伝来の享保雛(江戸中期)、古今雛(江戸後期)などが大切に受け継がれてきた人形がしつらえられています。同保存会学芸員の杉本歌子さんは「旧暦では29日が雛祭り。この日は冬から春になるけじめの日でもあります。西から入る木漏れ日に春の訪れを感じていただけたらと思い、障子を背景に雛人形をしつらえました」と話しています。
 協力金として大人1500円、高校生以下800円。会期中、庭の果物をつかった手作り菓子などの喫茶コーナーも設けられています。問い合わせ先TEL075-344-5724。