1月28日に81歳で死去した、「源氏物語」の研究で知られる京都府立大学名誉教授の中井和子さんの「お別れの会」が3日、京都市内で開かれました。会場には中井さんのパネル写真が掲げられ、約120人が故人の思い出をしのびました。
 同会発起人で、中井さんの著作を数多く出版した大修館書店編集者だった池澤正晃さんが、「中井さんは『源氏物語』を京言葉で現代語訳し、失われていく京言葉を文字と音声で残そうと尽力されました。『現代京ことば訳 源氏物語』や朗読CD「京ことばでつづる源氏物語」の出版に結実しました。それだけでなく、京ことば訳は全国各地で数十年と続く朗読会で読み語られ、見事に中井さんの遺志は受け継がれました」とあいさつしました。
 前国際日本文化研究センター所長で名誉教授の山折 哲雄さんが、中井さんの業績をたたえるメッセージを寄せ、俳優の山下智子さんが、『現代京ことば訳 源氏物語』の初音の帖を朗読しました。