この冬一番の冷えこみとなった大雪の7日、京都市上京区の真言宗の大恩寺(千本釈迦堂)で、「中風封じ、諸病平癒や健康増進に効き目あり」という大根焚きが振る舞われ、大勢の参拝者が訪れました。
 お昼頃には大根焚きを待つ人の長蛇の列ができ、デッカイお椀に盛られた熱々の大根焚きをほおばって舌鼓。地元の子どももお母さんがフーフーと冷ました大根や油揚げなどを大きな口を開けて「あったかい。おいしい」と嬉しそうでした。
 広島からの二人づれ女性は「京都はいいね。この大根炊きもお目当てで、一生懸命炊いておられて、とても柔らかくて美味しい」とにこにこ顔。手ぬぐいを被った炊き出し係の人は「昔は聖護院大根でしたが、なんせたくさんのこと、今は青首大根です。二日間で1万本炊きます」と忙しそうでした。(仲野良典)


 鎌倉時代、成道会法要(釈迦悟りの日)に、慈禅上人が大根の切り口を鏡に見立て、梵字を書いて大釜で炊いて病魔除けを祈願したと伝えられています。今は、本堂前の特設コーナーで一本一本に「梵」の字が書かれた伏見区の南部淀で収穫された丸い生の聖護院大根に参拝者の名前を書いてもらって分けてもらいます。