学校図書館を考える京田辺の会 学校図書館を考える京田辺の会は、5日、京田辺市内で「司書がいるとどう変わる 学校図書館」と題して学習会を開催し、学校ボランティアに取り組む市民の方や教員など約25人が参加しました。
 最初に、市内の全小中学校に専任司書を配置し、中学校の図書貸出冊数がそれまでの年間400冊から2万冊に増えるなど学校図書館の利用が大きく前進した石川県松任市(現在は合併して白山市)の取り組みを紹介したビデオを視聴しました。
 ついで岡山市で26年間、中学校図書館の司書として活動してこられた永井悦重さんが講演されました。永井さんは自らの経験も踏まえながら、「調べ学習」や「総合学習」でも積極的に学校図書館を活用してきたこと、図書館にはいろんな資料があり、それをいろんな角度から調べていくことが大事、そうすることで子ども達の理解も深まるのではないかと指摘されました。
 またメディアを読み解く力をつけることも学校図書館の大きな役割の一つで、疑問に思ったことを図書館で調べる習慣を身につけることが必要、そのためにも日常的に図書館が利用できる状態にあるべきだと話されました。
 その上で、学校図書館活動を充実させるには、(1)日常的に自由に利用できる、(2)授業でもしっかり活用する、(3)月に1回くらいはブックトークなどのイベントを行う、などが重要であり、図書館司書は毎日4、5時間は図書館にいて、職員会議にも参加して先生たちと相談できる時間を持つことが大切で、専任司書の配置は必要不可欠とまとめられました。
 参加者による交流、発言では、「書架の予算がなくて段ボール箱に本が入れられている」、「図書室を授業で使おうと思っても資料が古くて役に立たない」という声や、学校図書館へボランティアに行っている保護者の方から「子どもがたまに本を借りてきてもボロボロだったので図書の整理だけでもと思ってボランティアをはじめた。やってみると古いままの本が多くて、昭和38年発行の本とか、ソ連とか西ドイツと表記されたままの本もいっぱいあった。」という実態が出されました。
 最後に主催者の考える会の代表の方が、「これからも学校図書館が子ども達にとってよいものになるようにがんばっていきたい。まだまだ運動ははじまったばかりですが、今後もこういう勉強会などを開いていくのでぜひ、会にも参加して一緒にやっていけたらいいなと思います」と呼びかけられました。(青木綱二郎)