下村良之介 日本画の革新と前衛性を追求し続けた下村良之介(1922─98年)の没後10年を記念する回顧展が、京都市左京区岡崎の京都国立近代美術館で開かれています。
 下村は、京都市立絵画専門学校で学んだ後、48年に若手日本画家らと「パンリアル美術協会」を結成。旧来の日本画に反旗を翻すとともに、「鳥」をモチーフに画面全体に紙粘土を貼り付ける独自の表現方法を開拓し、生涯「反骨の画人」と呼ばれました。
 幅3メートル高さ2メートルの「鸞翔」と題した作品は、天空を目指す鳥の力強さを、鳥のくちばしから羽の一枚一枚まで、紙粘土で造りあげています。
 月明を翔き、時には赫日に照らされる様々な「鳥」を描いた重厚感あふれる作品群は見るものを圧倒します。
 8月31日まで。