「ストップ ザ 働きすぎ 働き方を見直す京都7月集会」(実行委員会主催)の講演会が5日、京都市上京区で開かれ205人が参加しました。
 一つ目の講演は、「ワーキングプア」などの番組を製作したNHK報道局番組部チーフプロデューサーの春原雄策氏の「貧困や働きすぎは自己責任なのか?」。
 春原氏は、スライドや映像を使って、ドキュメンタリー番組「ワーキングプア」に登場したホームレスの青年や仕立て屋の男性、母子家庭を支えるためにダブルワークで働く女性などを紹介し、働いても生活保護以下の収入で苦しんでいる実態や放映後の状況などを説明しました。
 タイトルの「貧困や働きすぎは自己責任なのか?」に対して、「自己責任ではなく、社会状況によって生み出されたもの」と語り、「彼らを支えてきた児童扶養手当などの制度やセーフティネットが無くなってきています。立場やイデオロギーを超えて『ワーキングプア』を変えていかなければなりません」と訴えました。
 2つ目は、建眞会夏目坂診療所・産業健康支援センターの阿部眞雄氏の「職場に広がるメンタル不全の対策と労働組合」と題する講演。長時間労働や過密労働などで、労働条件が悪化し、メンタルヘルスの問題が増えている状況を説明し、「労働者個人の問題でなく、職場の長時間過密労働などの改善や、産業医が職場環境をよく知ることが必要。そのためにも労働組合が積極的に労働衛生管理に参加することが求められます」と述べました。
 6日は午前9時半から、「心の健康を守る職場づくり」「長時間・過密労働の改善」「中小零細企業の健康問題」「若者の働き方の現状と課題&基礎講座」「深夜労働の規制を考える」などの分科会を開きます。