並河靖之「蝶に竹花図花瓶」 明治中期から末期にかけ国内外で高く評価された七宝作家、並河靖之の作品展が、京都市東山区の清水三年坂美術館で開催されています。
 靖之が得意としたのは、有線七宝と呼ばれる製作技術で、銅や金、銀などの細い金属線を文様の輪郭に合わせて貼り付けて、その中に釉薬を詰めて焼き付けるというもの。靖之は、輪郭線としてだけでなく金銀の色彩としても使うことで、優美で幻想的世界を創りだしました。
 今造られたかのような光彩を放つ芸術品の数々が、30点余り展示されています。
 20センチにも満たない瓶やタバコ入れの一面に、桜、菊、藤などの様々な花や蝶、鳥の文様が、花びらの一つ一つ、葉脈の一筋まで細密に表現され、黒や濃紺の地を背景に、色鮮やかに浮かび上がっています。
 8月24日まで。大人500円。月、火曜日休館。