京都市北山の麓にある深泥池には純白のカキツバタが浮島に群生し、写真のように岸辺付近にも咲いて楽しませてくれます。これからは淡紫色のカキツバタが咲き、浮島周辺にはジュンサイ、ヒメコウホネ、食虫植物のタヌキモなどが6月~10月ごろに順次生育します(浮島は少し離れているので観察するには双眼鏡などがあればカキツバタや岸辺付近の水中の小さな動植物なども良く鑑賞できます)。
深泥池は周囲が約1.5㎞。高層湿原に由来し、氷河期時代以来の動植物が生息している貴重な池で、1927(昭和2)年に国の天然記念物に指定(約60種類のトンボの他に全国的にも珍しい種類のゲンゴロウ、ミズグモ、アメンボなど昆虫などの動物も含めて1988年に深泥池生物群集と名称変更され全体が)されています。
 池の中央には池全体の3分の1を占める浮島があります。浮島の下は水の層がありまさに浮いてる島(夏は浮かび上がり、冬は沈んで冠水)。約14万年前から存在していたことがいろいろなデーターから確認されています。遠い昔から自生する植物としてアゼスゲ、ミツガシワ(以上4月に白色の花)、カキトキソウ(5月後半~6月初)、イヌノハナヒゲ(7月~10月に赤褐色)、サワギキョウ(青紫色9月~10月)など代表的な花を四季折々に咲かせます。(仲野良典)