戦時中、同志社大学に留学し治安維持違反容疑で逮捕されて獄死した韓国の国民的詩人・尹東柱(当時27)の詩碑献花式と「生誕90周年記念講演」が命日に当たる16日、上京区の同志社大学で行われました。東京、大阪など、府内外から120人が参加しました。同志社校友会コリアクラブと「尹東柱を偲ぶ会」の共催。
 尹はハングル語で詩を書いたとして43年に逮捕され、45年2月16日に旧福岡刑務所で獄死。詩碑「空と風と星と詩」は、没後50年に当たる95年に同志社大学に尹東建立されたもので、献花式は今年で12回目。
 尹の全集の編集に携わった早稲田大学教授・大村益夫氏が「尹東柱の詩―その背景と研究の現状」と題して講演し、尹の文学的背景について、「中国東北部(旧満州)で生まれ育った移民として朝鮮的なものを獲得し、その上で、西欧文学や近代日本の思想・知識を取り入れて自己形成していった」とのべました。
 また、遺されたスクラップや蔵書は、尹の文学的な特徴を知る手がかりになるとのべ、三好達治、芥川龍之介などの日本の文学作品が遺されていることなども紹介しました。