京都総評は8、9日の両日、08京都京都国民春闘共闘会議発足総会と国民春闘討論集会を滋賀県守山市で各単産、地区労協代表など約100人の参加で開催しました。岩橋祐治議長は「08春闘の最大課題は『貧困の解消と格差是正』であり、前半戦の市長選挙で中村和雄さんの勝利で大きな弾みをつけて闘おう」と強調しました。
 京都中小企業家同友会政策委員長の藤沢敏明さんが、「京都経済と京都市長選挙」、花園大学の社会福祉学部の吉永純助教授が「広がる貧困と格差」と題して記念講演し、「08春闘方針案」が執行部から提起されました。
 藤沢さんは同友会景況調査で建設業、製造業、流通商業など業種別で売上高、採算、業況判断などが06年から急激に落ち込み、「同業者相互の価格競争激化」「仕入れ単価の上昇」「民間需要の停滞」が経営者の声として寄せられていると紹介。中村候補が掲げる公共工事など公契約条例制定なども京都経済の建て直しの重要な柱と指摘しました。
 吉永さんは最低限の生活保障であるにもかかわらず生活保護基準の引き下げで餓死に追い込まれている人がいる実態などを明らかにし、日本では働く者の最低賃金が生活保護以下であり年金はさらに低くおさえられておりヨーロッパとはあべこべになってると指摘。貧困と格差是正の闘いは国民全体の生活水準を守るものであると訴えました。
 分散会では、非正規労働者の急速な増加、派遣労働、パート、雇い止め、残業未払いなど厳しい状況の報告があり、非正規労働者への呼びかけや仲間づくり、地域個人加盟ユニオンづくりなど運動の発展も出されました。二日間のまとめとして、○「貧困と格差是正」の闘いは府民・市民各階層との広がりをもった共同の運動でこそ前進する○市長選挙で勝利することが春闘に大きく弾みをつけること、などが参加者全員で確認されました。(仲野良典)