人形の寺として親しまれている上京区の宝鏡寺門跡で、公募した人形約1000点と人形作家による作品が展示されています。今年、人形展が50周年を迎えることから企画されたもの。12月24日まで、同寺で開かれています。
 公募のテーマは「和(なごみ)の心」。昨年10月から募集を始め、全都道府県から約1000点の応募がありました。審査は田中惠厚同門跡や佐々木丞平京都国立博物館長ら7人が担当し、写真、実物の審査を経て27点の入賞作品を選出。大賞には、「母ちゃん読んで」の安部朱美さん=鳥取県=が選ばれました(写真)。本を読んでもらっている子どもたちの表情、母親の優しい眼差しに気持ちが和みます。阿倍さんは25年間、独学で人形作りに取り組んできた人で、受賞作品は自身の体験をもとに作成したものです。
 招待作家として与勇輝、川本喜八郎、玉屋庄兵衛、面屋庄甫、中西京子、森小夜子ら12人が近作を展示しています。
 同寺の田中正流学芸員は「皆さんレベルも高く、全国の人形愛好家の方々の層の厚さに驚きました。人形作家の伊藤久重先生はこの公募展のために作品を作られました。まるで人形のお祭りのようです」と話しています。
 人形展公募作品展は12月24日まで。午前10時から午後4時。大人1000円、小学生500円。展示作品は1カ月おきに変わります。問い合わせ先は同寺TEL/FAX075・451・1550。http://www.hokyoji.net/mein.htm