京都府議会で5日、「集団自決」の記述削除を促す教科書検定意見の撤回を求める意見書が自民、民主の両会派からそれぞれ提出され、2件とも可決されました。日本共産党は、自民党提案の「教科書検定に関する意見書案」は、「沖縄の人々の心を踏みにじるもの」と批判し、反対。民主党提案には賛成しました。
 自民党案は、高等学校教科書の検定で、沖縄戦における「集団自決」の記述をめぐり、日本軍による命令・強制・誘導等の表現の削除・修正が行われたことについて、「日本軍の命令があったか明らかでない」とする意見と「日本軍による関与なしに起こり得なかったことは、当時の客観的状況からも疑いようのない事実である」とする意見があり、「今後更に調査が進められる必要がある」としています。
 意見書に関する討論に立った、日本共産党の西脇郁子議員は、沖縄県内のすべての自治体で抗議の意見書があがり、9月29日に開かれた沖縄県民大会で、「集団自決を否定し、沖縄戦の歴史をゆがめることは許さない」との怒りの声が噴出したことを紹介し、「自民党案は日本軍による集団自決の関与があったかどうかわからないというもので、歴史の真実の背を向け、沖縄の人々の怒りと悲しみの心を踏みにじるものであり、絶対に認められない」と強調しました。