9月9日は9が重なり重陽(チョウヨウ)の節会(セチエ)が法輪寺で、重陽神事が上賀茂神社などで行われます。上賀茂神社では重陽神事につづき、細殿(ホソドノ)前の土俵で氏子の子どもたち30人で珍しい烏相撲が行われました。地元の烏相撲保存会重陽社の人たちによって保存・継承されている市の登録無形民俗文化財です。
 発祥は古く、祭神の祖父が戦いを先導した折りに、天皇の弓矢に烏がとまったという故事、神が烏の姿になって先導したという伝説や稲などに不作をもたらす悪霊や邪気退治を祈願するための相撲行事などと伝えられています。
 本殿で神事が行われて、斎王代が細殿に着座し見守る中で、宮司、刀弥(とね)、行司、子どもたちが土俵を囲んでいろいろな呪(まじな)いなどのあと、烏帽子に白張(しらはり)姿の刀弥が弓矢、太刀など順番に手に持って烏のようにピョンピョン跳ねながら持ってきます。正座をして「カー、カー、カー」「コーコーコー」と3回烏鳴きを繰り返し、その後、祢宜代(ネギダイ)と祝代(ホウリダイ)に分かれて子どもたちの相撲試合を行います。
 真っ黒に日焼けした子どもたちの元気な白い褌(ふんどし)姿に「まァ、かわいい」「頑張ったのに負けてカワイソー」「がんばれ!」などとたくさんの参拝者から歓声や拍手がおくられました。(仲野良典通信員)