京都市指定有形文化財に指定されている杉本家(下京区綾小路通新町西入ル)の土蔵3棟のうち、1棟が崩落し、2棟も修理が必要と確認され、現在工事が進められています。11日に日本共産党の山中渡市議が訪問し、実情などを聞きました。
 土蔵は築140年以上で、代々伝わる収蔵品が収められています。崩落が起きたのは2月末の長雨後で、壁が剥がれ落ち、調査したところ、3棟の屋根瓦の破損や野地板の傷み、壁の亀裂が判明しました。2棟は公道に沿っているため、緊急に修理が行われることになったものです。
 杉本家保存会では、当面の工事費として1200万円を計上しているものの、行政からの補助金を含めても700万円が不足するとして、保存会会会員らに支援を呼びかけています。同保存会事務局の杉本節子さんは、「今後も修理は続けていきますが、公益法人としての事業を継続しようとすれば、恒常的な寄付をお願いしていくしかありません」と訴えています。
 山中議員は「新景観条例ができ、新しく建てられる建築物には一定の規制がかけられるが、きちんと保存されるべき建物を守る視点が欠けている。かけがえの無い京都の文化財を引き継ぐため、何ができるか、検討したい」と話しました。
 杉本家保存会の連絡先TEL075・344・5724、FAX075・343・3773。メール:narasugi@mbox.kyoto-inet.or.jp