長崎の原爆で亡くなった少女をモデルにした像「未来に生きる子ら(ふりそでの少女像)」の碑前祭が8日、像の立つ長崎原爆資料館屋上庭園で行われ、綾部の「ふりそでの少女像をつくる会」(四方修吉代表)メンバーや京都、長崎市内の高校生らが参加し、未来への平和の思いを誓い合いました。
 地元の活水高校生らによる実行委員会が主催したもので、今年で4回目。
 像製作者の余江勝彦さん=舞鶴市=が、舞鶴湾佐波賀地区に爆撃で沈没した浮島丸の殉難の話を紹介し、「像を通して日本の戦争を被害と加害の両面で考えてほしい」とあいさつ。同「つくる会」事務局の伊達順子さんが、4月に銃弾で亡くなった伊藤一長前長崎市長への追悼を捧げ、「綾部と長崎を平和の糸で結んでいた人でした。憲法9条を守り、核兵器廃絶の願いを全世界に発信する決意を新たに歩み続けます」とのべました。
 像のモデルとなった美奈子さんの母・福留志なさん=綾部市=の105歳を祝ったパネルや折りづるが添えられました。

 「ふりそでの少女像」は、「平和を祈るお地蔵さんをつくりたい」という志なさんの思いを知った綾部の中学生らが中心となって運動し、1996年に長崎に建立されました。
福留志なさん死去 「ふりそでの少女像」モデルの母