格差問題に対応する「成長力底上げ戦略」を政府と労使で話し合う円卓会議(9日)で、国が地域別に決めている最低賃金(1時間当たり全国平均673円)を今年10月の改定で、1部都道府県で最低賃金が生活保護より低い逆転現象を解消するため、特例的に上げ幅を大きくすることでおおむね合意しました。
 今後、経済界が引き上げに難色を示しているなかで、労使代表による中央最低審議会で、どれだけの引き上げ幅で合意となるかが焦点となります。
 京都は、最低賃金と生活保護が逆転している県の1つ。最低賃金時間額は686円で、1カ月約10万3000円。生活保護費の支給月額12万4700円より低く逆転現象を解消するためには、時間額144円の大幅引き上げが必要です。この間、最低賃金の改定幅は全国的に数円程度。京都でも05年、06年とも4円の改定幅にとどまってきました。合意通り実現すれば、大きな前進となります。
 全労連や連合は最低賃金の「時給1000円以上」の大幅引き上げを要求。京都では、京都総評青年部が中心となって、最低賃金で生活する1カ月体験を行い、低すぎる最低賃金の引き上げを毎年京都労働局に要請しています。
 日本共産党は、「全国一律時給1000円以上」を参議院選挙政策に掲げ、こうした取り組みを応援しています。
 参議院選挙で、この問題で各党がどういう態度を取っていくのかで、結論が左右されそうです。(辻井祐美子)