日本共産党の井上さとし参院議員は7日の参院文教科学委員会で、教育再生会議が打ち出している「徳育」の教科化について取り上げ、戦前の修身復活につながる危険性を指摘しました。
 「徳育」の教科化をめぐっては、5日の質疑で、伊吹文明文部科学大臣が、「国がある価値観を持って決める検定教科書的なものは難しい」などと特定の価値観を持ち込まないこと強調した上で、〝ワシントンや二宮尊徳などの行動を学び、規範を身につけてもらうもの〟と教科化のイメージを説明していました。
 井上議員は、戦前の尋常小学校第3学年の「修身」教科書の復刻版を示して、「この中にワシントン、二宮尊徳が出てくる。偉人の行動を学ぶといっても選び方や教え方で特定の価値観が入ってくる。まさに戦前の修身がそうだった」と指摘すると、伊吹文科相は思わず「そうでしたか」と声を上げました。
 井上議員は、「教科書を使うことは結局一定の枠にはめた道徳観を教えることになる。徳育の教科化は行うべきでない」と求めました。(写真=戦前の修身教科書の復刻版を示して質問する井上議員)