「生存権裁判」の意義やたたかいを語り広げようと学習会が2日、京都市中京区のラボール京都で行われ、50人が参加。全京都生活と健康を守る会連合会の高橋瞬作事務局長が「『国民生活の最低保証』と生存権裁判」と題して報告しました。
 高橋氏は、現在、生活保護にかけられている「攻撃」について、▽保護基準の切り下げ▽締め付け強化▽制度「改悪」―の3つの側面があるとのべた上で、「保護費削減とともに、『構造改革』路線の帰結として、憲法25条を真正面から受け止めて制度化された生活保護制度という社会保障の『根幹』を断ち切ることにある」と政府の狙いを指摘しました。
 生存権裁判の争点である、老齢・母子加算のあり方については、「『加算』があって初めて人間らしい生活ができた」との原告の訴えを示し、「運用上、便宜的に生まれたものではなく、法制定時の議論を見ても生活保護の理念から必然的に出てきたもの」と説明。70歳以上の高齢者に加算を必要とする「特別な需要」が認められないとしている政府側の主張については、「男女の年金格差や収入が低いために消費が抑えられている面を見ていない」と反論しました。
 最後に、裁判を支える運動について、若い世代を含めて「語り部」をつくる学習活動や地方議会にたいして、国に意見書をあげるよう求める運動などを提起しました。
 また、松島松太郎、三島義温、金原辰夫の京都の原告各氏が参加し、裁判への決意を語りました。学習会には、来年の京都市長選挙へ出馬を表明している中村和雄弁護士が参加し、「生存権裁判とともに若い世代でも今の社会のあり方を変えようと反撃ののろしが上がり始めています。一緒に変えるたたかいをすすめていきたい」とあいさつしました。