京滋の市民362人が自衛隊のイラク派遣の差し止めと慰謝料を求めた裁判の判決が23日、京都地裁で行われ、山下寛裁判長は差し止め請求を却下、慰謝料の請求についても棄却しました。原告はただちに控訴を決めました。
 判決文では派遣差し止めについて請求そのものが「不適法」と主張。損害賠償の請求についても原告の「平和を求める良心が侵害された」との訴えを▽憲法前文や9条は国民の具体的権利を定めたものではないため、国民には国に対して平和の実現を求める具体的権利があるとはいえない▽間接民主制の下では国の措置・施策で国民の内心的感情が侵害されても国家賠償法による保護に値する利益ではない―などと退けました。
 判決後の報告集会で、原告団長の岩井忠熊・立命館大学名誉教授は「自衛隊の海外派遣を認めれば三権分立における司法の役割は意味をなさなくなる」とあいさつ。出口治男弁護団団長は「間接民主制のもとで政府は何をやってもいい、司法はチェックできないという論理はまったく承服できない。司法の自殺行為だ」と批判しました。